魔性のApple

はてなハイクにもちょろっと書きましたが、2年近く使っているiPhone5のスリープボタンの調子が悪くなりまして。
まあ、劣化ってことでこんなもんかなあと思いつつ使って半年くらい、ふと気づくとAppleで無償交換のプログラムが始まったとあるじゃないですか。
これはチャンス、無償って美味しい。
という、乞食根性を全開した私が味わった、新品交換のドタバタを記しておきたいと思います。
長いのでたたみます。


実は私、Appple Storeのあの独特な雰囲気が好きなんですよね。
よく話題になるGoogle本社の素晴らしいセンスのオフィス環境、みたいの憧れるんです。
なんか、似てますよね、雰囲気。
銀座のど真ん中にあるApple Soreに最初に足を踏み入れた時、たぶんiPodを使い始めてからだから6〜7年以上前になると思いますが、あの雰囲気におどおどしちゃったことを覚えています。


一階のワンフロアのオープンスペースは、シンプルでスタイリッシュなインテリアで統一され、自由に新製品に触れられる。
もちろんインカムはスタッフ全員が装着。
どんなことにも即座に応じてくれるその対応は『慣れ慣れしい』ではなく『フレンドリー』という言葉を使いたい(意味不明か・・・)くらいの洗練された物腰。
私はひそかに『IT業界のスタバ』と名付けている。
だって「あれ、この対応、どっかでされた・・・あ、スタバ?」とか思いましたもん。


新しいiPodに買い換えたい時、iPhoneに買い換えたい時に、私はこのスペースに立ち寄ってふらふらし、スタッフにあれこれ聞いたりしていました。
で、iTunesとの扱いがよくわからないとか、iPodの調子が悪いとかの時は、4階の『GENIUS BAR*1にも出入りしていたのですが、とにかく対応が感じいいんです。
事前にネットで予約をして行くのが手順なので、4階でエレベーターを降りるとすぐにスタッフが寄ってきて予約の有無、要件を尋ねます。
ここのフロアのスタッフは全員タブレット(たぶんiPad?)持ち。
で、立ったまま画面タッチで色々と確認してくれて「しばらく中央のテーブルの辺りでお待ちください」と言われます。


広いフロアの中央付近にいくつかの丸テーブルがありますが、椅子はありません。
各自、その周りで立ったままなんとなく待ちます。
これって日本企業では珍しいですよね、この何とも言えない手持無沙汰感。
ぼーっと立っていたり、自分のApple製品をいじっていたり、一人で来てる人が多いせいもあって、慣れないとちょっといづらいです。


壁面に沿って長テーブル(たぶん備え付け)がだーーーーーっとあって、向こう側には適度な間隔を置いてスタッフが座って対応中。
中央テーブル付近の我々は、その後もう一度来店の概要を確認されたあと、名前を呼ばれるまで待ちます。
隣りの大テーブルでは、6人くらいの人たちがグループレッスンで『Pages』の使い方を習っているので、それを横目で見たりして。
みんな積極的に質問したり発言してて、「ここは欧米の大学かよ」と思う私。


名前を呼ばれてやっと椅子に座れますが、スタッフとの距離が近いです。
テーブルというよりカウンターだから、幅が狭いのは当然なんですが、慣れないとけっこう身構える感じかも。
ずっと前は、中央の大きな丸テーブルでも対応していて、そこでも丸いテーブルに隣り同士で座って、なんかお友達みたいな感覚でした。
面白いですよね、こういうのって。


そんなこんなで、待ち時間は10分ほどあったけど(平日の昼間にしては混雑)、無事に新品と交換してもらいました。
ただし、交換する際にバックアップしてあるかどうかの確認があり、その後に自分自身で『すべて削除』ボタンを押します。
ああ、これが地獄への入り口だと知らぬままにポチッとしちゃった私。
そうこの『すべて削除』がキーポイントね。
新品って言葉に目がくらんだ欲張りの私ったらバカバカバカ!





さて、まっさらな新品ですから、一から設定やり直しは当然です。
ここで、最初に購入した際にauのショップで親切なお兄さんが手とり足とり一緒に設定を済ませてくれたことを思い出し、自宅から徒歩1分のauショップへ直行しました。
待ち時間なしで「やった!」と思って事情を説明すると、なんと「wifiを使ってのバックアップ処理は何時間かかるかわからないので、ここではちょっとご遠慮願います」とのこと。
言われてみればその通り、cloudからかなりのボリュームのデータを落とすのには時間がかかるでしょう。
ということで、家に戻って手順通りにバックアップ作業開始!
これ、簡単そうだけど、けっこう細かい作業というか面倒なのよね。
wifi回線のパスワード忘れちゃって、プロバイダーに電話したりして、ここでも更に手間取る手間取る。
でも「一度やれば元通りになるんだから」と自分を鼓舞して頑張り、やっとたどりついた『最新のバックアップデータをダウンロード』の欄をタップ!



そこに現れた非情な文字『このiPhoneiOSとバックアップデータのiOSが一致しません』。
えええええええええええええええええええええええええええええええええ!
ダウンロードできないのぉおおおおおおおおおおお!
えええええええええええええええええええええええええええええええええ!
と、ここで一回目のパニック。



つまり、渡された新品はOSが古いんです。
なにそれ。
ひどい。
確かに昨日バックアップした私のは最新ですよ、当たり前じゃない。
そこにこんな古いOSの新品渡されて、どうすればいいの?
と、ここで「落ち着け自分」と言い聞かせてauサポートに電話。
だって、基本appleは電話サポートしないですよね。*2
auさん、とても丁寧な対応で「それでは大変お手数ですが、ここまでの作業をすべて削除して、お持ちのiPhoneのアップデートから始めてください」と。
つまり、ここまでの手順をすべてまた削除して、頭からやり直し。
あぅ。



それでもまあしかたない、やりましたよ。
最初から、ええ。
アップデートに小一時間。
そっからまた『最新のバックアップデータをダウンロード』まで。
とりあえず無事にデータは戻され、やれやれですよ。
そのあと今度はau回線を使ってのメール設定。
これも落ち着いて手順通りにやれば、まあまあ簡単にできるっちゃあできます。
10分足らずで完了!
がしかし、ここでふと気づくと過去メールが全然復活してない。
アドレス帳(連絡先)も空っぽ。
ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!
これって致命的ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!
ここで二度目のパニックです。


この時点ではもう、サポート時刻を過ぎてます。
だって、この設定しながら夕飯作ったり、洗濯物取り込んだりの主婦してるからね。
そんなこんなで時間は過ぎてるわけですよ。
わぁあああああん!
明日までメール設定できないっていうか、これバックアップできるの?
どうなってるの?
でもでもでも、どう考えてもcloudには私の番号でデータが残ってるはず。
まさか戻せないなんていう悪夢はないでしょう、とは信じていても不安です。


そして。
結論としては、翌日の朝イチバンでauサポに電話したら一発解決しました。
どうやら、auのメールサーバーが二つあって、そのために古いものと新しいもののデータ管理が二通りあるようなのです。*3
もう一度別の手順を踏んで、やっと連絡先はすべて戻ってきたし、過去のメールとついでにダイアリー(別に入れてたアプリですが、auメールと連動してるらしいです)も復活しました。


というわけで、今回の無償交換騒動は、一応のエンディングを迎えました。
が、このappleの仕打ち、というかツンデレっぷりには「さすがapple」と思った次第。
どっかサービスの感覚がずれてる気がするんですよねえ。
保証書とか契約書とか印刷物(アナログ的なもの)の素っ気なさに対して、デジタルというかインターネットでの対応はバカ丁寧。
だけど、肝心のヘルプのサイトとかGENIUS BAR予約完了メールとか全部英語。
もう、ほんと上から目線なんだけど、でもやっぱり頼りにはなるんだよ。
というか、そこしか頼れないから。
銀座まで行くしかないから。*4
こうしてappleの奴隷と化すしかないiPhoneユーザーなのであった。
いや私だけか。
あー、疲れた。

*1:この『BAR』って言葉の響きだけでもカッコイイと思ってしまう私は浅はかですが。

*2:apple Storeからの紹介ということで、電話番号はゲットしてあります。以前、何かの相談の時に今一つ解決しなかったので、担当スタッフの名刺にサポート電話番号書いてもらって渡されました。

*3:そのせいで、メールボックスの受信メール、送信済みメールの欄がとても複雑で使いにくくなってしまいました。個人的に改変するとアドレス帳が消える可能性がある、と脅されたので泣く泣くそのままです。納得いかないけど。

*4:地方に住んでる場合はどうするんですかねえ。販売店を通じて修理とか交換とか?時間かかりそうですねえ。