『プラチナデータ』 読んでから観た


本編上映前にいろいろ予告を見たのですが、次に見たい映画がいっぱいありました。
亀梨クンの33変化(だっけ?)が超バカバカしくて面白そうだし、『舟を編む』は松田龍平くんが良いし、何と言っても大沢たかおサマの『藁の盾』は一番待ち遠しい。
最近の邦画は、ほんと面白いです。



さて『プラチナデータ』ですが、これも『悪の教典』と同じく先に原作を読んでからの観賞でした。
ネタバレありなので、ここから先たたみます。





二宮くんが予告編で「…プラチナデータ…」と意味深に囁いていたのが、妙に良かったんですよね。
で、大好きなトヨエツが出てるし、これは観たいなあと。


ただ、最初に言ってしまうと、あまりに原作と違っていて面くらいました。
話としては、日本国民全員のDNAデータを極秘に集め、そのデータとの照合により犯罪検挙率が100%になる、という画期的なシステムの完成から始まります。
確かに検挙率が上がるのは良いことだけど、実はそのデータに関して重大な秘密が隠されている、というのがひとつ。
更に、ある殺人事件の容疑者が何とそのシステムの開発者である天才科学者神楽(かぐら)であると特定されてしまうことによる、神楽とベテラン刑事浅間の攻防戦がひとつ。
二宮くんVSトヨエツ、ってことですね。
そして、事件のカギを握るのが、鈴木保奈美演じる水上教授。
二重人格である神楽の主治医でもある水上は原作では男性なのですが、キーマンとして多く登場します。
この映画、華となる女性キャストがいないので、水上教授が鈴木保奈美なのかな。


二宮くんが天才科学者に見えないとの意見もあるようですが、私はあまり違和感なかったし、トヨエツ演じる刑事も迫力あって良かった。
ただし、トヨエツの顔のアップ時に「もうちょっとメイクしたほうがよくない?」って思ってしまいました。
彼も歳だし、ねえ。


ストーリーとしては、原作ほど細かいディテールは作りこめないにしても、アクションシーンとカースタントシーンは半分以下に減らしていいと思います。
神楽にとってあまりにご都合主義を貫いている逃亡劇にシラけるし、無駄なアクションとカースタントを省いたぶん、蓼科兄妹(プラチナデータシステムの陰の功労者)の登場シーンや神楽の逃亡中のエピソードなど盛り込んだほうが作品に深みが出たのではないかと。


ただ、原作を読まずに観た友人は「とても面白かった」と言っていたので、ああいうものだと思って観れば満足度は高いのかな。
とにかく、トヨエツのガタイの良さと男臭さと相反する、二宮くんの少女のような可憐さ(逃亡中は無精ひげ出てたにもかかわらず!)も見ものですよ。
総合ポイントは70点ということで。