読書の日記

ここ2〜3日は寒かったですねえ。
さすがの私もお腹がシクシク痛くなって、例のチェリーピローを抱っこしました。
それでも元気にテニスとフィットネスクラブと仕事に通ってます。
忙しいのであまり読書の時間がないのですが、久々に読書日記のエントリです。





うわさ (光文社文庫)

うわさ (光文社文庫)

読後にいやーな気持ちになる掌編集。
独居老人の家にボランティア的にお世話に行く女性、しかし実態は…。
意味もなく憎らしくてしかたない飼い犬を捨てに行く主人公、家族が捜した結果その犬が見つかった場所は、主人公にとって身の毛もよだつほど恐ろしい場所だった…。
などなど、どこにでもありそうな日常からちょっとだけ逸脱した人間たちを描く短編は、どれもぞわぞわ来ます。







ラブリー・ボーン (ヴィレッジブックス)

ラブリー・ボーン (ヴィレッジブックス)

映画化され、可愛らしい少女がレイプの末に殺害された物語としての認識はありました。
が、こうして小説として読んでみると、ストーリーの仕立て方が一風変わった作品であることがわかります。
日本ではあまり見かけないタイプの「あの世からの視線」がメインだからかも。
つまり、殺された少女の語りで進んで行く小説。
娘を殺された家族や周囲の人々、そして殺人犯、その両方の行動や心理がきめ細かく描かれたサスペンスです。
天国という概念があるキリスト教のお国柄だと、もっと自然に受け入れられるのかな。
心霊的なことも含めて、ちょっと不思議で心温まる長編。
ホッとするラストですが…ちょっとしたスパイス(?)が…。







狐火の家 (角川文庫)

狐火の家 (角川文庫)

この作家を大好きになるきっかけとなった『硝子のハンマー』は衝撃的でした。
探偵でもない男女のコンビが反発しながらも仲良く事件を解決していくお気楽な設定のわりに、犯行内容がけっこうエグかったんですよね。
その時のコンビがまたまた大活躍。
今回のこの狐火は、短編集ということもあってそれほどでもなくてちょっと肩すかし気味でしたが、充分に楽しめました。
密室殺人がメインの4編、どれも甲乙つけがたいけれど私としては表題作の父親が切なくて印象に残りました。
防犯(泥棒?)探偵の榎本のキャラも相棒の弁護士純子も、どちらもツンデレ(笑)







症例A (角川文庫)

症例A (角川文庫)

2000年に刊行された小説、この頃の鬱病は今くらい市民権を得ていたのかしら。
主人公は精神科医の榊医師、そして担当する患者は美貌の17歳少女。
いわゆる鬱病ではなく、境界例、更には解離性同一性障害、などの病名がついていく。
そこへ女性臨床心理士である広瀬が診断を下し、その後の展開は「え?そういことなの?」という意外な線を辿っていく。
精神の正常と異常ってどこで見分けるんだろう、そしてそれは果たして治癒するのか、治癒を望むべきものなのか?
そんな、色々な疑問を投げかけるストーリー。
ラストは…これで良かったのかなあ…。







チェーンレター (角川ホラー文庫)

チェーンレター (角川ホラー文庫)

これも怖いですよー。
昔流行った「不幸の手紙」に殺人がからむと更に恐怖ですよね。
主人公の水原千絵が妹から受け取った「不幸の手紙」から、その恐怖の連鎖は始まる。
折原一の得意とする「男」あるいは「女」だけの記述で読者を混乱させ、何度もページを戻って確認したくなるストーリー。
ただ、私はこの著者に馴染んでいるせいか、なんとなく途中でカラクリがうっすらと見えてしまいました。
それでも読み応えは充分、「不幸の手紙」が「棒の手紙」になる意味、あなたはわかりますか?







以下、マンガです。




海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

吉田秋生のマンガはほとんど制覇してる*1けど、このシリーズは実はちょっと苦手。
だって、かっこいいおにーさんの出現率が低いから。
愛する朋章くんもちょっぴりゲスト出演だもんね。
『BANANA FISH』や『YASHA』の頃にギラギラしてたぶん、現在はゆったり流れてます。
それぞれ個性的な三姉妹、そこに異母姉妹が加わって4人になるまでの楽しくて切ない物語。
第二巻以降も買う予定だけど、昔の『きつねのよめいり』とか『風の歌うたい』みたいなファンタジーも読みたいなあ。






百鬼夜行抄 (1) (ソノラマコミック文庫)

百鬼夜行抄 (1) (ソノラマコミック文庫)

これは出てきますよ!
イケメン!
一気に5巻まで揃えちゃったくらいハマりました。
主人公の律くんがおぼっちゃまで可愛いし、青嵐さま(妖怪)がカッコイイし。
そして何よりもストーリーがよくできてます。
きちんとストーリーを追いながら読まずにスルスル読み飛ばすと、途中でこんがらかっちゃうくらい綿密な仕立てです。
絵柄がレトロ、ストーリー展開もちょっぴり懐かしい雰囲気だけど、近来稀にみる良書でした。






その他のマンガたち。


聖☆おにいさん(7) (モーニング KC)

聖☆おにいさん(7) (モーニング KC)


よんでますよ、アザゼルさん。(1) (イブニングKC)

よんでますよ、アザゼルさん。(1) (イブニングKC)

*1:デビュー作はもちろん、初期の作品からイラスト集まで持ってます。『BANANA FISH』と『YASHA』のイラスト集は大判で、私の宝物!セクシーキュートなイケメンがどっさり!きゃはー!