最新刊など

ああもう、Bookカテを充実させたいのに、なんかサボってしまう。
新刊のはずが新刊じゃなくなっちゃうよ!
読書日記もつけたいんだけど、なんかね、忘れててね。
ここに残しておくにしても全部は無理だし。
とにかく、読書は大事です、漫画も含め。


さてワタクシ、基本、文庫本しか買いません。
寝る前にベッドで、自宅のソファで、スタバで、とにかく小型で軽いの重視です。


書店で手に取ってすぐに買う気になるのは、やっぱり新刊。
ということで、まずはこの一冊から。
かなりネタバレなので、たたみます。




プリズム (幻冬舎文庫)

プリズム (幻冬舎文庫)


『モンスター』から『永遠のゼロ』へと、一気にファンになってしまった百田氏の新刊。*1
「どうしてもこのラストシーンが書きたかった」というこの小説、どこにでもいる32歳の主婦が主人公の、ひとことで言えば恋愛ストーリーです。
ということは、世間で言うところの不倫なのですが、相手が普通の相手ではないところが超サスペンス。


主人公の女性は、小学生の家庭教師をするくらいだから聡明でしっかりした女性です。
容姿は、自分ではかなり低レベルだと思っているけど、たぶん中の上くらいではないかという感じ。
そんな彼女が、家庭教師に行った先で出会った青年に恋をして・・・。
なんていう、甘っちょろい小説が面白いわけがなく、この青年がものすごい謎なんです。
ま、ハッキリ言って多重人格者なわけですが、それが発覚するまでの不思議な展開と、発覚後の葛藤に読者は引き込まれるという流れ。


途中から「あれ?これもしかして多重人格?」とわかってしまうんだけど、それでもぐいぐい引き込まれるのはさすがに百田小説。
女心をどうしてこんなに細やかに描けるんだろう。
主人公になった気分で揺れる、悩む、そしてラストの涙の本当の意味。
切ない恋愛小説とは一味違った悲恋を味わいたいかたにオススメです。






パラドックス13 (講談社文庫)

パラドックス13 (講談社文庫)



今話題の新刊です。
が、そもそも数学の成績でクラス最低点を叩き出したことのある私が『パラドックス(数学的矛盾)』ですって!
「ぱらどっくす?なにそれおいしいの?」ってくらいの脳味噌ですが、充分に楽しめました。
東野圭吾の描く、深く悲しいヒューマンドラマに、今回も酔ってしまいましたよ。


舞台は東京都心、ある日の13時13分13秒の瞬間に時が途切れ、残されたのはたった13人。
いわゆる『パラレルワールド』のお話であり、そこでサバイバルが始まるわけです。
赤ちゃん、老人、若者、警察官の兄弟、ヤクザ、会社重役とその部下、主婦、OL、看護師など、バラエティに富んだ13人が必死で生きようとする様は、手に汗握る展開。


嵐と地震が繰り返される東京の街で、13人がそれぞれの人間性をさらけ出すわけですが、リーダー的な存在は警視庁のエリート管理官。
その弟が警察官ということで、二人を中心に物語が進んで行きます。
淡い恋愛あり、暗くつらい過去を背負う者あり、自己中心的な人物のおかげで死者が出たり、とにかく気の休む暇がありません。


ラストは、「ああ、こういう結果なんだ・・・」と納得しますが「ああ、この人は死んで欲しくなかったなあ」と思ったりもします。
東野ワールド全開の、人間性をいやというほど深く掘り下げたサバイバルストーリー、ラストはほっこりするけど、読後に放心状態になること請け合いです。






生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)


『このミス』で大賞を獲った作品は、なるべく読みたいと思っています。
この作品も、上記の東野作品と同じくサバイバルものです。
が、こちらはもっときわどい感じの感染症を扱っています。
ので、グロい表現もあったりして、読者を選ぶかも。


北海道の小さな半島にある石油基地で、職員全員が謎の突然死をしたため、自衛隊が出動を命じられるところから物語は始まります。
その死体は、とにかく無残、のひとこと。
これはいったいどういうことなのか?
テロ?
だとしたら殺害方法は?
想像を絶する地獄のような現場に派遣される自衛官サイドと、その原因と処置を研究調査する政府機関の研究者サイドとのシーンが交代で描かれます。
指揮を執る自衛官が、ある部下の死を強烈なトラウマとして抱えていたり、研究者の中心人物が、ある理由で薬物中毒者であることなど、細かいディテールも散りばめられいます。


読み応えは充分、果たしてこの殺人鬼の正体は?
そして日本政府は、自衛隊は、日本を救うことができるのか?





花の鎖 (文春文庫)

花の鎖 (文春文庫)


TVドラマにもなったミステリ作品です。
湊氏の小説は、怖い女性が出てくるので、いつも「女ってコワい」と思いながら読むのですが、今回は違いました。
とても、心温まるストーリー。
ただし、とてもとても複雑な展開なので、頭悪い私はもう一度読み直してやっと理解した次第です。


梨花という名の若くて元気の良い女性、美雪という名の、優しい男性と結婚したものの子供ができないことで悩んでいる女性、紗月という名の水彩画の講師の女性、この3人がそれぞれに主役を演じます。


そして、謎の人物『K』も重要な主人公。
梨花の母の生前、毎年花を贈りつづけたK。
そのKの正体を探る梨花の日常とともに、美雪と紗月の人生も語られて行く。
歳の離れた優しい夫を献身的に支える美雪だけれど、夫の親戚との軋轢に悩みは尽きない。
紗月は、学生時代に親友と同じ男性に恋して悩み、同じ山岳部の尊敬する女性の先輩に関しても軋轢が生まれる。
それぞれの人生、決して表には表れない、複雑な人生。


最後の最後、時系列が整理された時に明かされる真実。
複雑に絡み合った糸が、ほどける。
頭の体操的なミステリです。
あなたはどの女性に一番共感できますか?






昔読んだマンガ、ひょんなことから思い出して読みたくなって全3巻買っちゃいました。
20年も前の作品なので、現代でなかなかお目にかかれない懐かしい雰囲気。
純粋な子供の気持ちを取り戻せる・・・わけないけど、とても心洗われます。

*1:ただ、最近の氏の発言は色々と私は賛成できません。著書と発言は切り離して考えてますが、あまりにも・・・とガッカリです。